法改正後の運用例 鉄骨編

2009.08.05

従来の設計手法は、横補剛の検討を無視してDs=0.40にて保有耐力検討を行う事で完結して

いました。これは、「新耐震設計法Q&A」(監修:建設省住宅局建築指導課 編集発行:社団

法人日本建築士事務所協会連合会 1982年9月6日発行)の質問025が根拠となっています。

この質問では、スパンの大きなラーメン架構においてDs=0.40とすれば局部座屈防止の検討

は不要となっています。


又質問065にて、S造各断面曲げ終局強度は横座屈による低減は考慮しなくても良い、全塑性モ

ーメントMp0、Mpcで設計をすれば良いと記載されていました。


「建築構造問題快答集 5」(発行 株式会社建築技術 1984年5月15日発行)問85では

横補剛が満足出来なくてDs値を大きく(0.40)し、保有耐力を求めてクリアするならばMp

の低減は必要が無いと記載されています。


「同快答集 5」の問148では横補剛材の接合部分設計例が記載され、圧縮フランジに横方向に

考えるべき力 F=0.02*σyA/2 を与えています。しかし、回答をされた1人の方は横

補剛材全てにこの計算例が満足しなければならないとも思えないとし、もう1人の方はこのような

計算は実用設計で取り上げる必要は無いと書かれています。